アメリカ留学で必要な知識①医療体制

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どうもKOUです。アメリカ留学をするうえで、留学前に知っておくべき知識を何点か紹介していきたいとおもいます。

このページは留学をする人だけでなく、医療体制を学びたい方のためにも図などを用いて紹介しているので、参考にしてください。

またアメリカに限らず留学する前にその国の保険システムを学んでいくことが大切ですので、お忘れなく。

この知識を知っているだけで、アメリカのクリニカルクラークシップで得られる経験がより大きなものになるかと思います。

今回はアメリカの医療体制について説明していきます。

アメリカの医療体制

アメリカの医療体制は、どんなものかご存じでしょうか?

医療費が高額、保険料が高いので加入者が少ない、そんなイメージを持つ人が多いのでしょうか。

日本では、国民皆保険により医療費は3割負担で、高齢者は負担額が少ない、高額医療制度等が整備されていますが、その分国家予算の医療費が占める割合が高く、年々増加しています。

私がこれから述べる内容は、日本の医療が良くてアメリカが良いと言ったものではありません。それぞれメリット・デメリットを知っておく必要があると思います。

公的保険VS民間保険

オバマ氏が大統領の時、国民の保険加入率を高めるために、低所得者の保険費用を高所得者が肩代わりする事で低所得者が民間の保険に入りやすいような体制で、オバマケアが導入されたが、既に保険に加入している大部分の国民は、保険料がたださらに高額になるというものであり、トランプが大統領に就任し廃止に動いているもの。ただ廃止するわけではなく、高額な医療費は社会問題となっており、医療費により(たとえ保険に加入していても)自己破産が多いのがアメリカの現状であるため、オバマケアに代わる医療システムの構築が、2020年の大統領選の争点にもなっています。

ただ、アメリカでは全てが民間による保険ではなく、公的な保険もある事はあまり知られていないのではないでしょうか。

大原則で、アメリカの医療保険は、歯科や眼科のコンタクトなどは医療保険に含まれておらず、歯科は歯科の保険、コンタクト保険と分かれているので、注意が必要です。

またアメリカ国民の9%程度が保険未加入である。

公的 Medicare

Medicare(メディケア)とは、アメリカに10年以上納税して居住している65歳以上の高齢者または、一部の障がい者を対象とした政府が管理する医療保険システムです。負担額は2割負担で、上限はなく、処方箋などは保険に含まれないのが特徴です。

国民の20%の人が加入しています。

公的 Medicaid

Medicaid(メディケイド)とは、国民の23%程度が加入する低所得者向けの公的な医療保険となっており、各州が管理しています。障がい者や、妊婦・子どもも加入の対象となっており、妊婦健診や子どもの予防接種も保険対象に含まれる。州により枠組みが異なるため、州により負担額や受けられる医療が異なる。

民間の医療保険

国民の多くが、民間の保険会社が提供する医療保険に加盟している。大半は、雇用主が代表して保険会社と契約し、従業員とその家族が登録する形となっており、雇用主が従業員の保険費用の一部を負担するという仕組みで医療保険が提供される。

年齢や、家族の有無、独身・既婚・既往歴の有無によって保険費用が異なり、住んでいる州により値段も変動するが、平均月440ドル、日本円にして45,000円ほど支払う。医学部卒業時の24歳男性では、月200ドル程度、メディケア加入直前の64歳では、月600ドルとなります。

日本の国民皆保険があり、民間の保険費と比べてもべらぼうに高く、この保険費用を払ってもなお、高額な医療費が重くのしかかるのです。

その医療費の説明をする前に、アメリカの医療を説明するに必要な用語を何点か紹介します

アメリカ医療用語

ネットワーク

各医療保険は、ネットワークというものを提供しています。

このネットワークとは、保険会社が提携を行っている病院の集団をさします。基本的にこのネットワーク内で医療を受けることで保険会社が医療費を負担してくれます。言い換えると、この医療ネットワーク内で診察を受けないと、全額自己負担になりかねないということです。

保険会社が提供するプランの説明を次に説明したいと思いますが、大きく分けて2種類あります。保険会社によっては、その中間的なものなどもありますが、分かりやすく一般的な2つを紹介します。

PPO(Preferred Provider Organization)

PPOは、ネットワークに所属しているの有無にかかわらず、どの医療機関も利用できるというものですが、その分保険費用が高額になります。

HMO(Health Maintenance Organization)

ネットワーク外の医療機関では、保険外となるもので全額自己負担となります。また、医療を受けたい場合は、事前に決まっている主治医(Primary Care Doctor)を必ず通してからネットワーク内の専門医を通す必要があり、少々手間や時間がかかります。しかしその分保険料や負担医療費が安い傾向にあります。

実際の医療費は?

実際に症例をベースに保険に加入した患者が、どの程度・どのように医療費を負担するかを見ていきましょう。

Case. Appendicitis(虫垂炎)

虫垂炎で手術となる場合、アメリカでは一泊入院、早い場合は日帰り手術の場合が多いですが、費用としては日本円で約570万円。日本と比べても桁違いに医療費が高額な事が分かるでしょう。

入院費や手術費が、通院費と対応が異なりますが、保険に加入していると、上の図のような仕組みでお金を支払うようです。

Copaysとは日本でいう初診費や再診費に当たるもので、病院・ドクターごとに値段が決まっており自費になります。

さらにDeductibleという自己負担額が保険のプランには決まっており、その額を超えるまでは全て患者自己負担となります。その額を越えてはじめて保険会社が費用を負担してくれます。

ただ、超えた額の医療費にも患者の自己負担割合が決まっており、2割程度は患者が支払う必要があります。

最終的に、自己負担額を超えたものに関しては保険会社負担となりますが、アメリカでは保険に加入していたとしても高額になりかねません。

一般的な負担割合

  • Deductible 1300ドル
  • Co-Insurance 20%
  • Out-of-Pocket Maximum 4400ドル

で計算すると

1300+(55000-1300)×0.2=10740ドル<4400

より4400ドル支払う必要が出てきます。この、虫垂炎のケースはアメリカ国内でも高額な不当な医療費ではないかと問題となったケースであるようですが。一般的には虫垂炎の平均費用は13,200ドルで、保険を利用し自己負担は3,680ドル程度のようです。

アメリカは自費診療の国ですので、どんな額が請求されても分からないので、渡航する際は必ず医療保険に加入していく必要性が分かるのではないでしょうか。

さいごに

アメリカの医療システムについて、知っていると思っていて分からなかった内容が多いのではないでしょうか。

もう一度言っておきますが、日本・アメリカどちらの医療が良いかを決めることは出来ないものでしょう。しかし、議論するには面白い内容でしょう。

また世界各国の保健システムを勉強してみるのも面白そうですね。

私KOUは、北欧の25%消費量によって可能にされている福祉などにも興味があります。世界各国の美味しい所どりの夢のような医療システムがあればいいですよね。

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