医師と言えば、イメージは白衣を思い浮かべる人が多いと思いますが、病院では意外と白衣を着ている人をあまり見かけなかったり、白衣の下には何を着ているのかな総疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
今回は、日本と留学先のアメリカの病院での経験を踏まえて、医師や看護師の服装に注目して紹介していきます。また、最後に診察の風景なども日米での違いを紹介します。
KOUは男ですので、今回は男性の服装がメインとなっています。
日本の医師
日本では、白衣のイメージが色濃くあり、職業を明確に示すことができるので正装として扱われており、この点はアメリカも変わりません。
教授クラス
特に年長のトップクラスの先生になると、白いワイシャツにネクタイ、スーツパンツに革靴といった、オーラを放っています。トップクラスの先生の白衣の生地は厚めで、光沢があります。
部長クラス
少しその下の先生になると、色・柄付きワイシャツでネクタイが無くなり、白衣を羽織り少し身軽になった感じでしょうか。このあたりの先生は、こだわりを持った白衣を着ているイメージがあります。例えばチャック式であったり、ブレザータイプ、生地がメッシュぽい生地など様々ですが。ズボンに関しては、スーツパンツなど黒色の無難なズボンが多いのではないでしょうか。足元はカジュアル革靴などでしょうか。
中堅クラス
さらにその下の中堅の先生は、青など単色のワイシャツに病院のロゴが入ったような、一般的な白衣を羽織っています。ズボンに関しては、動きやすいものを履き、デザインは多様かと思います。靴は、街ではけるようなスニーカーをチョイスしている人やカジュアルな革靴を履いています。
若手・後期研修医
若手の先生になると、黒いスキニーパンツに上はスクラブ、そして白衣を羽織るという感じでしょうか。このあたりになると、スニーカーやサンダルを履いている人も多いのではないでしょうか。
研修医
研修医になると、白衣を着ることもなくなり、スクラブにスキニーパンツ、足元は運動靴で動きやすい格好となっています。
このスクラブとは、何度もゴシゴシ洗っても大丈夫なものということで「scrub」から取られたもので、作業着のような位置づけの物となっています。
看護師はというと、ナース服のイメージが強いですが、基本的には白を基調にした服装が主流かと思います。
また、外科・内科の違いによっても服装は変わってきますので、実際に病院で確認してみて下さい。
アメリカの医師の服装は?
では、アメリカの医師はどのような服装で仕事をしているのでしょうか?
私が留学していた先の病院での内容になっているため、エビデンスレベルは不確かですが、ご了承ください。
トップレベルの年長の先生に関しては日本と変わらず、オーラがぷんぷんのお堅い服装です。
しかし、そこから下の先生は、各々好きなワイシャツを着て、落ち着いたズボンを履き、靴はそれぞれの自由で、外来の診察をする時のみ白衣を羽織るというスタイルでした。
研修医に関しては、白衣を着ることは無く、ただワイシャツに『Resident』と書かれた名札を付けているだけでした。また3割ぐらいのひとはTシャツで、中には半袖半ズボンの人もいたのが驚きでした。
夏にはこういう光景がさらに見ることができるのでしょうか?
女医に関しても、原色ではない落ち着いたカラーの私服で、休日にショッピングに出かけているというような服装です。
病院内では、医師は白衣も着ていないので、名札と首にかけている聴診器が無いと、医師とは気づくことは無いでしょう。
また、タトゥーもファッションの一部であるので、全身ゴリゴリにタトゥーがあるのも、日本では決して見ることのできない事でしょう。
また、名札には、役職と名前に加えて、呼び名(あだ名)も記されていたのが特徴的でした。患者に自己紹介する時も、日本ではファミリーネームを名乗るところを、アメリカではファーストネームで名乗っている点も文化の違いと感じさせられ新鮮でした。
アメリカの看護師は?
では、看護師はアメリカではどのような服装なのでしょうか?
こちらは、上下スクラブの服装をしており、スクラブには様々な色があるのでそれぞれ好きな色のスクラブを着用していました。
そのため、統一感と言うものもなく、個性がよく表れていました。
アメリカと日本の診察風景は?
まず、以前にも紹介しましたが、日本とアメリカでは医療資源に雲泥の差・月とすっぽんほどの差があります。このため、日本では患者数をこなす必要がありますが、アメリカでは一人の患者に時間をかけることができます。
では、2枚の写真を見比べてみましょう。
左が日本で、右側がアメリカの診察風景です。
日本
アメリカ
日本では、患者が名前を呼ばれると医師がいる部屋に赴くスタイルになっており、医師と患者は横並びに座り、医師はパソコンと正対して座っています。患者の話を聞いている時は、目線を患者の方に移しながらパソコンにその内容を同時進行で記入していきます。必要に応じてパソコンの画像を用いて説明したりと、時間がない中で理に適った状態となっています。
しかしアメリカでは、医師は控室のパソコンで作業を行い、患者のデータなどを把握しいつ様なものは印刷して用意し、患者の準備が整うとその診察室に医師が赴くスタイルになっています。
診察室にもパソコンはありますが検査の結果も看護師が説明するため必要なく、基本使用せず、バインダーを用いて紙にメモを取る人先生が大多数でした。そのため、患者と正対して座っています。日本では偉そうと非難されますが、足を組んだり席の背もたれに倒れたりとその辺のスタイルは自由でした。
また椅子の形状が異なる事にも注目していただきたいが、アメリカではたいそう座り心地のよさそうな椅子で、日本の硬い椅子と違い新鮮で、こんな事を日本でやったら患者はすぐ離れていってしまいそうだなとも想像してしましました。
番外編
循環器の先生は、襟が立ちがちです。KOUの経験的には、白衣の襟が立っている人、循環器内科医か心臓外科医である率90%というエビデンスもありますので、こういった所を病院で観察するのも楽しいかもしれませんね。循環器医は誰もが憧れるスターです。
さいごに
医師の服装に注目してみるのも、意外な発見ができて面白いのではないでしょうか?
病院にかかった時はそんなところにも目を向けたいところでありますが、そんな余裕もないのが事実ですよね。。。
私は、留学でスクラブをたくさんもって行ったのですが、看護師か手術終わりの外科医しかスクラブを着ておらず、ワイシャツを2枚しか持って来なかった事に後悔したので、留学する時は服装に注意しましょう。